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zoom RSS 薄幸のイ・ウンジュが演じたドラマ「火の鳥」

<<   作成日時 : 2005/09/12 07:56   >>

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 男女のすれ違う愛を描いた韓国ドラマ「火の鳥」。2005年2月に自殺したイ・ウンジュの遺作である。火中に身を投じ生まれ変わるという伝説の不死鳥「火の鳥」を題材にして、消すことのできない男女の愛を表現した作品。

 ドラマのストーリーは貧乏学生と社長令嬢の出会い、ヒロインの両親の反対、愛を貫くためヒロインは妊娠し家出までして結婚したが、生活苦から言葉と感情のすれ違い、子どもは流産しあえなく離婚。
 10年後、米国で青年実業家として成功したヒーロー、父が死亡し没落した家庭をヘルパー(家政婦)として懸命に支えるヒロインとが、立場を変え大人の男女として韓国で再会するというもの。
 ヒーローには財閥令嬢の婚約者がいるが、かつて愛しあった元妻が困っているのなら何か力になりたいという感情は当然。そして4人の男女の愛憎が絡み合うといった典型的な筋書きの韓国ドラマである。

 イ・ウンジュは華奢で物静かだが、芯の強いイメージの女優。年齢的にはソン・ヘギョ、ソン・イェジンと同じ若手女優。細身の現代風美人で、演技派女優としてこれからを期待されていたとか。
 不眠症とうつ病による自殺で亡くなったとされるが真相は不明。2004年に制作されたドラマ「火の鳥」と映画「朱紅文字」での露出シーンを厳格な両親から非難され気にしていたとも伝えられるが、私が「火の鳥」を見る限りでは、ベットシーンはほんの少しで、きれいに描かれ、全然問題ないように思える。
 韓国ドラマ、映画の撮影スケジュールは徹夜が毎日続くほどハードと言われるので心労もあったかも。家族は1男2女の末っ子とされるが、仕事上のストレスを家族や友人との気軽なやりとりで解消できなかったかと悔やまれる。

 ドラマ自体はストーリー、画面、音楽とも完成度の高い作品とは必ずしも言えないが、薄幸のヒロインのイメージとだぶり、女性のつらさ、悲しみが切々と伝わるドラマに仕上がっている。遺作となったこのドラマは、本人の自殺により結果的に女優イ・ウンジュがドラマの演技に最後の彩りを添える形となった。色白で透明感のあるイ・ウンジュのアップの画面では、どうしても視聴者としては本人の暗い陰や不安感を追ってしまいがちで、引き込まれるドラマである。

 ドラマの演技上では個性を押さえた人柄の印象を受ける。冒頭の部分でわがままな社長令嬢のため友人も少なく、ペットの子ガメに一人語りかける場面に妙にリアリティを感じた。私には、性格的にイ・ウンジュはどちらかというと線が細く、不器用で自己主張が下手、孤独が好きのようにも思える。もちろんこれがイ・ウンジュの魅力と言える。
 女優としてハードな撮影現場での負担、華やかな世界であるが人気の浮き沈みも早く、繊細なイ・ウンジュにはかなりのストレスがあったのではないかと想像する。

 別な映画のプロモーションで2004年12月に北京を訪問。共演者と一緒の記者会見では、イ・ウンジュはあまり笑わず、笑顔も作り笑いだったとの報告がある。この頃から沈み勝ちだったのかも知れない。
 ドラマの中で交際中の男性に、過去の離婚の心の痛手から「愛なんてたいしたものでない」と伝える場面がある。同じようにイ・ウンジュも「女優なんてたいしたものでない」と割り切って、あまり深く考えず力を抜いて、良い意味で適当に人生を生きて欲しかったと思う。

 ドラマの結末は、様々な障害、犠牲を乗り越えて再び二人は愛し合うというもの。若い頃愛し合いつつも別れざるを得なかった二人の男女の再会は、切っても切れない出会いを重ねることによって愛がよみがえることとなる。
 思うに、愛された記憶は薄れていくものの、愛した思い出は幸せな記憶としていつまでも消えずに残っているのかも知れない。愛する人のために何ができるかあれこれ考えること自体が喜びで、人のために生き人に尽くすことがより大きな幸せのようである。
 これはちょうど、食事をつくってもらう喜びより、家族のために食事をつくるほうが喜びが大きいのと似ている。食べるだけであれば誰につくってもらって構わない。しかし家族の健康や嗜好を考え料理する楽しみは毎日欠かせない行為だけに、常に愛情を込めることができる。

 現代は仕事や人間関係がとても複雑でストレスの多い「ストレス社会」といわれる。いわば自殺は死に至る病のひとつと言ってよい。がん、心臓疾患、脳血管疾患になるのが本人の責任でないように、自殺も本人の性格、家庭環境に原因を求めるのは酷とも言える。現代社会では失業、失恋などちょっとした原因や条件で、だれでも不眠症、うつ病になる可能性を秘めている。

 落ち込んでいる時、生命力が弱っている時にふっと何かに吸い込まれる経験は多くの人にあることと思う。そんなアップアップの状態のとき、当面の悩みとは全く無関係な、子どもの寝顔、周囲の温かい言葉、他人の善意などほんのささいなことによって、少しでも自分の生きる意味、心の居場所を見つけて立ち直ることができるのではないか。

 当日、イ・ウンジュは夜遅く帰宅し、明け方まで家族と語り合ったあと自分の部屋に戻り、昼過ぎまで起きて来ないので家族が様子を見に行って、本人が自殺しているのを発見されたと報道されている。
 大好きだった母親や兄との話の内容、自分の部屋でのイ・ウンジュの心の葛藤がどうだったかを知ることはできない。しかし自分を見失い、ほんの一本の糸でつながっていた生命がわずかのきっかけで容易に断ち切られたことは想像に難くない。
 ご冥福を心より祈ります。

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