介護記録090403-母が死亡-

4/1 病院面会
 仕事を終え病院へ。母は少し熱が下がったものの、相変わらず発熱は続く。食事も栄養剤アイスのみ。栄養剤飲料は吸い飲みの中にかなりの残量。頭を整髪しながら会話。母はうわずったあえぐような声。夫と息子の名前の混乱。子どもの人数もダメ。数字では1+1=1。
 ベッドサイドに明日、胸部レントゲン(座位)、血液と尿検査の予定が掲示されている。「早く良くなって」と声かけて退出。「迷惑をかけて済まないね、ありがとう」が母の最後の言葉。

4/2 主治医から電話
 午後に職場へ主治医Y先生から電話。本日のレントゲン検査結果で右肺周辺に胸水との所見。発熱が原因で食事拒否のため低タンパクで、体力が回復しないとの説明。午後から針による胸水穿刺で胸水を抜くと言う。前に胸水穿刺と身体拘束は同意書にサインしているので、主治医の治療方針を受け入れると返事。私から家族が病院に行き、何かすることがあるかと聞くと、特にないとY先生は言う。本日も仕事が忙しく病院面会は時間切れ。

4/3 家族に見送られて、やすらかに母が死亡
 午後2時半に妻から職場へ電話。病院から家族にすぐに来てとの連絡が入ったと聞く。妻は父(舅)を連れ、先にタクシーで病院に向かうと言う。職場を早退して病院へ。風景は桜が満開、花冷えで澄み切った青空が妙に印象的。最悪の事態を想定して眺めたこの風景の印象は、きっと心にしみこむようにいつまでも残るに違いない。
 午後3時半に病院到着。先に到着していた妻と父は病状説明を聞いているが、改めて主治医のY先生から私が説明を受ける。昨日、胸水穿刺してから今朝まで、経過は良好で熱も下がった。しかし母は栄養剤飲料(エンシュア)250ccを肺へ誤嚥下。一時心肺停止し瞳孔も開いたが、現在は何とか処置して回復。しかし意識はない。現在人工呼吸器装着だが、「今晩もつかどうか」の状態。医療とてはこれ以上やれることはないと聞き、私は愕然。
 母は人工呼吸器、心電図を含め7本のチューブにつながれ、規則的に呼吸にあわせて母の頭が右に動くだけの姿は息子の私にはみるに忍びない。妻が連絡したので次女が職場を早退して到着。小康状態なので90歳の父の体調を心配して、次女が車を運転し、妻が同行していったん父を帰宅させる。病室で私が一人になり、少しずつ母の死というものを静かに受け入れる心境となる。看護師から特に家族が付き添う必要はないと声をかけられる。しかし、病室泊まり許可申請書を書いて提出。母は意識がなく声かけも聞こえない状態だが、頭をクシで整髪しながら、「もうがんばらなくても良いよ」と声かけ。
 午後5時半に心電図の数値が低下、看護師に容態の変化を伝える。当直医のT先生が到着した時には心臓停止、数値ゼロで波形がフラットになる。家族の到着まで人工呼吸器ははずさないと言う。妻に電話し、再び父を連れて病院へ来て欲しいと伝える。妻は今さっき、父を私の実家に送り届けたばかりだが、もう一度父(舅)を連れて病院に向かうと返事。母の体温は徐々に低下。一時10分ほど弱々しく心臓の波形が回復。看護師に伝えると肺の吸引を実施。しかし再び心臓停止で二度と回復することはなかった。
 やがて職場が遠い長女が病院到着、長女に家族全員が到着次第、人工呼吸器をはずす状態と説明。長女は動転したのか言葉少なく見守るだけ。再び、父、妻、次女が到着して最も近しい5人がそろったと看護師へ報告。
 母は穏やかに目を閉じた状態。再び当直医師T先生が到着し、瞳孔確認、聴診器で心音確認し、午後6時30分死亡を宣告。人工呼吸器をはずされる。次女は母(祖母)の胸に顔を埋める。後で届けられた主治医Y先生のサインした死亡診断書には誤嚥性肺炎との所見。
 5人の家族に見守られて、安らかな母の死だった。享年86歳、やるべきことはやり悔いのない人生と思う。家族に終末介護の負担をかけるのはイヤと言っていた本人の希望どおり19日間入院で終わった。妻といかにも「せっかち」な母らしい死に方だったと語り合う。

4/3 葬儀社へ連絡
 病院から葬儀社のリストを借りて連絡、遺体搬出と葬儀依頼の電話。葬儀社は午後7時半過ぎに、遺体引き取りに向かうと言う。その旨病棟看護師へ伝える。午後8時前に葬儀社のスタッフが到着、看護師と葬儀社スタッフでベッドからストレッチャーへ母の遺体を移し、1階裏口へ搬出。寝台車が出発して、私たち家族5人は車で後を追う。看護師の丁重なお見送りに、私はお礼。

4/3 葬儀社打ち合わせ
 母の遺体は白いシーツにくるまれ安置所に。お別れの手を合わせ、妻と私は葬儀の日程の打ち合わせ。4/5通夜、4/6告別式・火葬で葬儀場、火葬場の予約。私は故人の遺志で、親しい親族のみでの家族葬を希望、導師は息子の私が勤行、唱題で行うと伝える。参列者は15人程度の予定。訃報を回覧して友人知人、地域の人に伝え、手助けを依頼、香典返しや料理準備などといった雑事で煩わされたくない。親しい家族のみで静かに見送りたい、葬儀は家族のものとの思いを優先させた。明日午前9時に妻と2人で具体的な打ち合わせへ。

4/3 家族葬の連絡
 予定していた我が家での行事のキャンセル、私の地域の中心者Yさん、母が最も親しかったAさんへの連絡は妻。実家の地域の中心者Kさんは父に替わって私が担当。いずれも参列、香典不要の家族葬の趣旨を伝える。実家の地域で私の親しいTさんから電話。Kさんから聞いたが、自分だけは参列したいと言う、もちろん了承。
 父母の親族の代表格の父方Sおじ、母方Mおばへはいずれも高齢のため明日、私が連絡する予定。

この記事へのコメント

読者
2009年04月04日 16:55
唐突ではございますが
お母様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

私は以前よりずっと拝見させて頂いておりました。ありがとうございました。
弟の家族と暮す私の母が認知症になりまして3年ぐらいになりますのでそのぐらいの間です。
一緒に住めない母に対する切なさもありましたので。
でも息子さまのあなたさまとの感じ方の違いもあるのかもとコメント一つも残せませんでした。

そして今日涙が止まりません。
お元気になられるだろうと思って疑いませんでしたので、とても残念で悲しくなりました。
ご家族様はいかほどかとお察し致します。
お寂しくなられますね。どうぞお気落ちなさいませんように。

不躾で本当に申し訳ございません。お許しくださいませ。


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